アウシュビッツを知っていますか?
始めに。
結花は「持続可能なエネルギーへの転換」に賛成です。
子供たちに残す社会をどうすればいいのか・・・
私たちみんなで考えていきましょう。
昨年の夏、娘が夏休みの課題図書で「モーツアルトはおことわり」という本を
読んでいました。
岩崎書店 マイケル モーパーコ (著), マイケル フォアマン (イラス
ト), さくま ゆみこ (翻訳)
ドイツのアウシュビッツ収容所で、バイオリンを引き続けた音楽
家の話。
娘がこの本を選んだ事にちょっぴり驚き、また嬉しい気持ちでし
た。
20年ほど前のちょうど今頃、妹とヨーロッパへ長旅をする事にな
りました。
私はイタリアに行ってみたい。妹は福祉国家である北欧を観てみた
い。
偶然2人とも1ヶ月の時間があり、それじゃあ南から北上して33
日間行ってしまおう、ということに。
浮かれる私に妹が言いました。
「せっかく行くんだったら、アウシュビッツ収容所に寄りたい」。
アウシュビッツ・・・?
聞いた事があるような気がするけど、何だっけ?
妹は私に説明してくれました。
第二次世界大戦時、ヒトラー総督率いるナチスドイツが行った、ユ
ダヤ人大量虐殺の収容所として有名なところ。
スト」という連続ドラマの放送
を毎週観ていた気がする・・・。
ずーっと忘れていた私の脳裏に
少しずつその記憶が蘇りました。
左の写真は第一強制収容所「ア
ウシュビッツ収容所の正門です。
ARBEIT MACHT FREI (働けば自由になる)と記されています。Bの文字が反転し
ているのは、収容者の小さな抵抗だったのでは、と言われています。
ナチスに虐殺されたユダヤ人は、150万人とも400万人とも言われています。
最終的には、大量の死者で火葬が間に合わず、穴を掘って埋めるしかなかった、
ということです。
収容所に入る前に、基礎知識を得るための映画上映も行われています。
映画も含め、施設には13歳未満入場不可。日本語のパンフレットも用意されて
います。
オシフィエンチム駅からバスで10分くらいでした。英語が殆ど通じませんので、
ちょっと苦労しましたが・・・。
私は上の写真にある、第一収容所に見学に行きました。
収容所の見学で、私が一番辛かったのは、廊下という廊下に貼り出された、収容
者の写真です。連れて来られて直ぐに撮影されたものでしょう。どの顔も目が美
しく、特に子どもの顔は、屈託の無い希望が感じられました。
展示室には、沢山の鞄、眼鏡、義歯、髪の毛(家身の毛で編んだ毛布)、コート、
義足・義手、などが。
そして、外に行くと「死の壁」と呼ばれる死刑執行所。もの凄い数の花束が添え
てありました。また、毎日首を吊った人が下がっていたという絞首台(というよ
り、高い鉄棒のようなもの)、ガス室・・・。
私はガス室には入る勇気がありませんでした。そして、第二収容所の「ビルケナ
ウ」に行く余力は残っていませんでした。
そのあまりの衝撃に、私たち姉妹はすっかり打ちのめされて、ベンチに座り込み
うなだれていました。・・・暫くは声も出ませんでした。
すると「日本人ですか?」と女性の声。驚いて見上げると日本人と思しき女性が。
「はい、そうです。」
「まあ、こんなところで日本人にお会いするとは思ってもみませんでした。」
聞けば、彼女のご主人はドイツ人で、息子が「アウシュビッツ収容所の見学に行
きたい」と言うので、家族で来たのだ、と仰っていました。
ドイツでも、ナチスドイツが行ったその恐ろしい事実は、過去のものになりつつ
ある、とのことでした。
旅の中盤でアウシュビッツ収容所の見学をして、すっかり疲れてしまった私たち、
北欧では積極的に回る気になれず、景色を見ては癒す、そんな過ごし方になって
しまった、ということを付け加えておきます。
しっかし、きつーい見学だったなあ・・・。