思いやる心、想像力を育てたい

今日、法事の帰り道に、遠回りして原宿界隈を通りました。

その時、昔のことをふと思い出しました。


20代の前半、あるきっかけで自然保護に興味を持ち始めました。

ある夏のこと、原宿の明治通り沿いの小さなイベントスペースで、アメリカの先

住民族達の厳しい現実を紹介していました。


そこで私が聞いた話の中で一番心に残ったのは、

「インディオ達が一堂に集まるこの集会で、各種族が自分たちの伝統の舞を披露

します。しかしこの種族が舞を始めたら会場がしんみりしました。実は、この種

族は人口が減り過ぎて、血縁ばかりになってしまい、子孫が残せないことが現実

となり、自らの種族の”絶滅”を宣言したのです。」

この話は実にショックでした。私の知らない、こんなに悲しいことが、自分とは

違う世界で起こっているのだ、と。


その場所に、高校生の女の子が来ていました。

彼女は目から大粒の涙をポロポロ流しながら「私はどうすればいいですか?私に

何か出来ることは無いのでしょうか?」と訴えていました。

その時どんな答えだったのかは詳しく覚えていないのですが「あなたが今日感じ

たこと、知ったことを、まずあなたの周りの人に伝えてみましょう。理解してく

れる仲間が見つかったら、何が出来るか是非考えてください」というようなこと

を言っていた気がします。


私を「お前のはお嬢様のお遊び」などと批判する大人もいたけれど、行動しない

よりもずっといい、と思っています。


彼女は今どうしているかしら。純朴な、尊い涙だった。

彼女の涙は、きっと彼女を成長させてくれたに違いない・・・そう思います。

自分に何が出来るか分からない。でも、その人の心の痛みくらいは分かってあげ

たい。

そしてその気持ちがあれば、きっといつか、何らかの行動にいつか繋がっていく、

私はそう信じています。


私の子どもたちにも、人の心の痛みを想像出来るような・・・

そう、想像力を持った大人になって欲しいと望んでいます。