伝統・文化の伝承、これからの時代・・・

蔵のギャラリー・喫茶 結花は、伝統的な建築です。まさに伝統文化と言えます。

おもてなしはまだまだの結花ですが、それだけは事実。

結花では、出来るだけ季節のお飾りをするように心がけています。

一月のお正月飾りから始まって、節分、おひな様、花まつり、端午の節句、・・・。

結花が伝統的な建物ゆえに、少しでも伝統文化を忘れずにいたい。また、伝えていきたい。

そんな思いからやっています。

最近は自宅でそんな「季節」を感じる余裕が無くなりました。おひな様と端午の節句くらい

でしょうか?


そんな「伝統・文化」について、最近思うところがあります。


あるショッピングモールで、”木”の雰囲気を全面的に醸し出している家具屋に入りました。

そこで民芸風の箪笥が売られていたのですが、本物に似せた、出来の悪い、ひどいもので

した。塗装で雰囲気を出していますが、造りがお粗末です。まあ、値段もとてもお安かっ

たのですが。

しかし、本物がどんなものか、今の人は恐らくほとんど知らないので、あの程度のもので満

足してしまうかもしれません。


また、巷に外食産業が沢山増え、週末には家族でファミレス・・・というご家族も多いこと

でしょう。

今の子どもたちは、「本物の味」がどんなものなのか、知っているのでしょうか?

昆布と鰹節などでとった、本物のお出汁の微妙な旨味を。


家を建てようと思ったら、ちょっとお金があるお宅は有名なハウスメーカーに依頼。ちょっ

と足りないお宅は小さなハウスメーカーに、もっと足りないお宅は建て売り住宅を購入。

今はざっとこんな具合でしょうか。

地元の大工さん(工務店)にお願いしよう、などという人は本当に稀でしょう。

「企業」というスタイルじゃないと安心できない、という理由もあるのかもしれませんが。



本物の家具、本物の味、本物の建築物・・・

結花の持ち主(私の父)は、伝統的な建築物に関わる全ての職人を守っていこうと運動して

おりますが、これからの世代に伝承していくことは、それこそ”至難の業”かもしれません。

本物を伝えていくこと・・・これは実に大変な作業になることでしょう。

本当は、教育現場でも努力してほしい部分です。


結花でお出ししているお食事は、地味ですが、野菜は矢切ないしは松戸市内で採れた新鮮で、

無農薬か低農薬のお野菜を使用しています。どれにも化学調味料は入れていません。

合成洗剤も使用していません。


手前味噌ですが、私はファミレスよりも美味しいと思っています。

まあ、”華”がないですけどね。


ですが、地味でも古くさくても、結花からはこれからも日本人の文化を伝えていかれるような

催しやお食事をご提供してきたい・・・そう思っています。