サラワクの話8 〜私が訪れたジャングルの村〜

蔵のギャラリー・喫茶 結花(ゆい)は、明治8年築の見世蔵を移築した建物です。

135年ほど経った建物は、空気感が違っていて、おいで下さったお客様の殆どが

「心地良い」「癒される」と感じてくださいます。

結花の取り柄と言えば、この空間だけですけれど・・・。

でも、お客様がここで癒されるのは、無垢の木がたくさん使用された建物だから。

そして、長い年月が経っているから・・・。

建築に使用される木が育つのに必要な年月が50年〜60年なので、住宅の寿命を

もっと伸ばさなければ、森はいつか無くなってしまうのです。


あ〜

随分ひさしぶりにマレーシア国サラワク州のことを書きます。

ちょっと長いですけど。


東日本大震災の前に時々連載していたジャングルのお話。

これが最後になるかな?

またふと思い出すことがあったら書き留めるかもしれませんけど…。


サラワク州はボルネオ島の東側に位置しています。

マレーシアという国は東マレーシアと西マレーシアに分かれていて、

東マレーシアに「サバ州」「サラワク州」の二つの州があります。


私は2回サラワク州を訪れているのですが、その2回とも共通するのが

「ラーメン」

です。


私たちが「日本という、文明的に進んだ国から来た」という理由から、村の人は何

故か文明的な食べ物(彼らにとってはラーメン)を食べさせたがるのですよ。


だけど!!!!!

そのラーメン、小さなアリンコがたーくさん浮いているのです〜…。

ジャングルのアリって本当に逞しくて、何でもかじっちゃう。

ラーメンの袋なんてあっさりと穴が開けられてしまうんです。

袋の中にはアリンコがいっぱい!!!


でも、ジャングルの住民達はそんなことは普通のことなので、へいちゃらで食べます。


うー・・・「どうする???」

日本人同士顔を見合わせました。

だけど「食べられない」とも言えまい。


もっちろん、食べましたとも。

味ですか?

あんまり味は無かったんですよね。

わりと普通に食べてしまいました〜〜〜。


平和で豊な彼らの村。

サラワクのジャングルは、日本の商社の子会社によって、

どんどん伐り倒されていきました。

そしてその時、日本はバブル景気で誰も彼もが浮かれていたのです。


ところで、どうして彼らにとって、森は大事なのでしょう?

つまらない質問でしょうか。


私は若い頃、なかなか想像出来なかったのです。


あなたの住んでいる地域から、お店が一軒も無くなったとします。

車で何時間も移動しないとお店がありません。

「はい、今日から自給自足して」というような状態です。

あなたには出来ますか?


これと同じことを、彼らは求められていたのでした。


つまり、彼らの生活はほぼ100%が自給自足。

その糧を奪われていたのです。

特に、畑作の週間を全く持たない「プナン」という民族は、もろに影響を受けていました。


福島第一原子力発電所のこともそうですが

自分の生活の犠牲になっている人がいる、ということを

私たちは知らなくてはならない気がします。


そこから先は想像力。

思い計ること、だと思うのですよ。